第十七回文学フリマに参加します。

第十七回文学フリマに出店させていただくことになりました。

2013年11月 4日(月) 11:00〜17:00

東京モノレール流通センター駅」  東京流通センター 第二展示場(E・Fホール)

「四畳半CUBE編集部」Fホール(2F)エ-55


今回は新刊はありません。既刊のみの販売となります。
Vol.1は在庫僅少のためお早めに。Vol.2は在庫潤沢。よろしくどうぞ!

11月18日開催の文学フリマに出店します。

タイトルそのままですが、11月18日開催の文学フリマに出店します。
新刊『四畳半Cube 弐号室』を販売します。

以下詳細

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【イベント】
開催日:2012年11月18日(日)
開催時間:11:00〜17:00
会場:東京流通センター 第二展示場(E・Fホール)
アクセス:東京モノレール流通センター駅」徒歩1分
一般来場:一般の方は入場無料です!

詳細:http://bunfree.net/


ブース位置:Fホール(2階) 【エ-18】


【同人誌】
≪タイトル≫
『四畳半Cube 弐号室』


表紙:なのさん



≪内容≫

●[小説]桃色の憂鬱/西出季生
→桃色ブリーフ職人の一日にせまったドキュメンタリー。

●[評論]森見読者に知ってほしい 新3大 丹波四郎/よっしー
→『恋文と技術』には単行本化によって消された登場人物がいた。消された男にして孤高のマンドリンニスト、丹波四郎とはいったい!?

●[小説]あくがれ タヌキ/ちよ
→居酒屋のレジ横におかれたタヌキの信楽焼。動けないモノがしゃべる世界で、僕は一つの夢をいだく。

●[特集]MORIMI’S キッチン
→森見作品ゆかりの料理のレシピを紹介。

●[小説]百万遍交差点の怪人/ユメ見ズ
→ 連絡がとれなくなった明石さん。その原因と噂される百万遍交差点の怪人とは!?

●[小説]いつか脱ぐ日よ/小林淳一
→ 『夜は短し歩けよ乙女』に登場するパンツ総番長。彼がそこまで阿呆になった過去が明らかになる。

●[考察]俗・森見ヒロイン的おっぱい懐疑/なっちゅ軍曹
→森見作品に出てくるヒロインは、果たしてどんなおっぱいをしているのか!? たったの3人の考察で終わった前作を遙かにしのぐ、全森見ヒロインを網羅した完結編! もう二度とやりたくないです!


≪詳細≫
発行部数:150部
価格:500円
ページ数:116ページ

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今回も表紙は前回と同じく、なのさんが描いて下さいました。なんと素敵な表紙でしょう。この表紙の為に買う価値が十分あります。本棚に飾るだけでインテリアとしても使えます。大変、万能な同人誌となっています。前作と比べるとボリュームは減ったけど、森見愛をより濃厚に詰め込みました。お求めやすい値段になって、気軽に買って頂きたいと思います。

また、当日配布予定のフリーペーパーも制作中です。コラムや四コマ漫画など、このフリーペーパーも中々の読み応えとなっています。来客者限定で配る予定なので、気になる人は是非遊びに来てください。同人誌は買わなくても、フリーペーパーは差し上げます。

そして、当日は前作の『四畳半Cube』も販売する予定です。前作と新刊をセットでご購入頂けた方は、特別に2冊1000円で販売を検討しています。お買い得でっせ!

そんでもって、先日ユーストリームで宣伝ラジオ? をやりました。何やら録画が視聴できるみたいなので、興味がある人は見て下さい。カレー評論本を作成している「ガラム政宗」さん、出会い系俳句を主催している「よしだおか」さんと合同で撮りました。自分で言うのもなんですが、僕はことごとく滑っております。二度と見たく無いです。でもやってる最中は楽しかったです。また機会があればやりたいくらいです。

ユーストリームhttp://www.ustream.tv/recorded/26905780
Youtube(画質・音声修正版) : http://youtu.be/HoVKxM5tzvE

(11/20追記 上記録画は出演者の意向から第十五回文学フリマを過ぎたら消しちゃおう、ということだったので、予定通り削除しました)

そんな感じで、もしご興味がある人と11月18日が暇な人は、是非遊びに来てください。

よろしくねっ (・ω<)





★記事サンプル★

●[小説]桃色の憂鬱/西出季生
桃色ブリーフ職人の朝は早い。
太陽が地平から顔を出し、地上が薄明るい光で照らされ始めた頃、彼はずっと前から起きていたかのような自然さで、するりと目を覚ます。彼の睡眠と覚醒の不連続さを拒否するような朝の目覚め方には、どこか敬虔さが存在している。
遠くで鳥たちが囀るのを聴きながら、布団をたたみ、顔を洗い、軽い朝食を済ませると、職人は作業服に着替え、神棚に祈り、そして作業場へ向かう。
そこで彼を歓待するのは大量の白いブリーフたちだ。プラスチック製のカゴに積まれた彼らは、職人の手によって、誰もが「なんと破廉恥な!」と叫びたくなるような桃色に染められるのを待っている。ただの桃色ではない。誰もが認める破廉恥な桃色、でなければならない。
職人は、自分の仕事に誇りを持っている。あらかじめピンク色をした糸から縫製されたブリーフでは、決して出せぬ色がある。形作られる前から桃色のブリーフなど、桃色ブリーフではない。本来は純白であった穢れなきブリーフたちが、破廉恥極まる桃色に染まっていく過程こそが肝要なのであって、最初から桃色であってはつまらないのである。
職人の長年培われてきた技術による染色作業を経て、かつて純白であったブリーフたちは己の宿命を受け入れ、桃色ブリーフとしての第二の人生を歩み始める。なんら変哲のない普通のブリーフとして生まれついたはずの彼らが、真の桃色ブリーフへと変身を遂げる、その生まれ変わりの瞬間にこそ意味があるのだ。
桃色、というのも難しい。それはピンク色の一種である。だが少し恥じらいを秘めたかのような、薄いピンクである。
最近の若者が着ている、ど派手なショッキングピンクなどは、アバンギャルドだかなんだか知らないけれども職人からすれば「恥をしれ! しかるのち死ね!」とでも言いたくなるような代物であって、誇りも色気も可愛げもない。
職人の欲するは絶妙なる色味。「我、此処にあり」と存在をあくまで主張はするけれども、しかし「ハズカチー」とばかりにそれを抑え込もうとする意思も共存しているような、そんな押し合いへし合いせめぎ合いの間で、思わずポロリとこぼれでた桃色。それこそが職人の目指すところである。



●[評論]森見読者に知ってほしい 新3大 丹波四郎/よっしー
「みんなは“孤高のマンドリニスト丹波四郎”の事を知っているかい?
もちろん俺は知っているぜ!今日は彼の事を知ってほしくて、特別にこのスペースを借りて某番組風に彼の魅力を3つの点にまとめてみたよ☆題して〝森見読者に知ってほしい新3大丹波四郎〟丹波四郎で迷子にならない為にもついてきてくれよな!」

丹波四郎は誤解されている。
『恋文の技術』はポプラ社の冊子『asta*』に連載されていた時と比べ大幅に加筆、修正が加えられた作品です。その編集という歴史の闇の中でいなくなった登場人物や、なかったことになった設定もあります。その中にあのマンドリニスト丹波四郎もいるのです。《無意味と傲慢が四畳半で出逢って生まれた男》丹波さんが消えてしまっている。連載時の彼はもっと色濃く印象強い人で、ただの名脇役に留まるような人じゃない。丹波四郎は犠牲になったのだ。そんな丹波さんの魅力を出来るだけ伝えられればと思います。
でも、この〝新3大丹波四郎″の記事自体は『恋文の技術』の連載版にはこんなこともあったんだ。程度に読み流してもらって、丹波さんが出る作品に興味を持つ人が少しでも増えればそれはとても素敵な事だと思うよ。



●[小説]あくがれ タヌキ/ちよ
暗く靄がかった頭に響いたのは、生まれた理由だった。
「レジ横が寂しい」
僕はレジ横が寂しいから生まれた。
二つに合わさった型が外されると、ぼんやりとした視界に肌色が動いていた。にゅっと伸びて僕をぺたぺた触ったり、何かを貼りつけたりする。肌色がなくなると、別の部屋に運ばれた。
目がハッキリ見えるようになったとき、同じ木板の上にヘンテコな置物が二十個ほど整然と並んでいるのが見えた。腹がでっぷりと突き出たその姿は何だかおかしかった。
僕はその置物達を笑った。
頭の上や腹にひやっとした液体が塗られた数日後、真っ暗な部屋に閉じ込められた。突然、四方から青い炎が立ち上がり、みるみるうちに温度が上がった。皮膚からぷつぷつと水が出た。ひどい熱さだった。熱いというより痛い。焔(ほむら)は渦を巻き、重い空気と共に僕を何度ものむ。懸命に痛みに耐えているとき、前段の置物が(ぎゃっ)と悲鳴を上げた。轟音のなかで、その声だけやけに際立って聞こえた。変な声だった。変な姿だから出す声も変なのだ。僕はあんな声は出すまいと思った。
しかし、僕の体にも変化が起こった。徐々に体が前後に引っぱられ、その力が強くなる。そのうちパンと弾けるような音がした。熱風が内側に入り込み、頭がもうろうとした。
温度が下がり、扉から光が差し込んだとき、僕の皮膚は硬く硬く焼き締まっていた。前段の置物は二つにばっくりと裂けて、がらんどうの中身を晒していた。

「ごくろうさん。ぎりぎりやったなぁ。」
人から初めてかけられた言葉だった。タオルを頭に巻いた老人は、くしゃっと笑った。
僕と他の置物達は、野外の草地に置かれた。
外に出されると木々の鮮烈な緑が目を射た。オオバコの下を蟻がひょこひょこ歩いてゆく。森の陰から跳んできた飛蝗(ばった)がコツンと僕に抱きつこうとして滑り落ちた。
そのうち空が色に染まった。
初めて見る夕暮れは色にあふれていた。夕暮れは夜になり、月夜に変わった。
銀色の大きくやわらかな風が林の上を渡ってくる。
風は僕のなかにも入り込み、体の奥で静かに止まった。
(ごくろうさん!ごくろうさん!)僕は喚いた。
この音が口をついて出た。周りの置物達も(うー)とか(あー)とか声をあげていた。



●[小説]百万遍交差点の怪人/ユメ見ズ
「明石さんと連絡が取れない?」
「そうなのよ」
それは羽貫さんの電話から始まった。 羽貫さんは明石さんと四条に新しくできた西洋菓子店に行く約束をしていたのだという。しかし、待ち合わせの時間を過ぎても、明石さんはいっこうに現れない。
「携帯電話には連絡してみたんですか?」
「何度もかけてみたんだけど、ダメね」
私の知る限り、明石さんが約束に遅れたことは、これまで一度もない。すっぽかすどころか時間前には到着している人である。これには私も驚きを隠せない。何か急用が入ったにせよ、連絡ひとつ寄越さないというのは、彼女らしからぬ行動である。
「何か変なことに巻き込まれてなきゃいいんだけど」
羽貫さんは不安気に言った。
「とりあえず彼女の連絡を待ちましょう。僕からも連絡してみ ます」
羽貫さんの言う、何か変なこととは一体何を指すのだろうか。 その言葉がやけに耳に残り、胸騒ぎを覚えた。一息ついた後で、明石さんに電話をかけてみる。 長いコール音が続き、それは留守電話へと行き着いた。 自動音声が明石さんの不在を告げる。私は虚しくなり、電話を切った。蝉の声が疎ましい暑い夏の日のことである。

明石さんの行方を憂いていると、いつものように、小津がアパートにやって来た。私が羽貫さんとの電話のやりとりを話すと、「あの明石さんが約束をすっぽかすとは、どうも腑に落ちませんね」小津もまた、怪訝な表情をして、首を傾げた。
それからしばらくの間、私達はたわいのない話を延々としていたのだが、小津がある話を切り出した。
「京都の新・七不思議をご存知ですか」
「知らないな」
「巷はこの噂で持ちきりですよ」
「どうせ根も葉もない噂だろう」
「それはどうでしょう。まあ聞いてください」
小津は、これは人から聞いた話なんですけどね、とお決まりの文句をつけて、滔々と語り始めた。
「一つ、天狗の止まり木。二つ、深大寺の井戸の声。三つ、ビリヤード場の貴公子。四つ、天駆ける美女。五つ、あの世に通じる階段。六つ、空飛ぶ叡電。そして七つ目が」
「七不思議というものはたいがい六つ止まりじゃないのか」
と口を挟むと、それがあるんです。と小津はただでさえ不気味な顔をぐにゃりと歪ませ、こう言った。

「七つ、百万遍交差点の怪人」



●[小説]いつか脱ぐ日よ/小林淳一
これは私のある友人の話だ。のちにパンツ総番長と呼ばれる男の話であり、彼の苦闘の記録でもある。それは人によっては馬鹿馬鹿しいと言われるかもしれない。しかし、ある人にとっては涙無しでは聞けないかもしれない。またある人には「世の中にこんな阿呆な男が居るのか!」と驚かれるかもしれず、またある人には「こんなに気骨がある男が現代日本に居たとは!」と思っていただけるかもしれない。いずれにせよ、彼ほど迷走した青春を送る男を私は知らない。しかし、本人は迷走などとは思わず、一直線に走っていると思っているかも知れない。ともあれ、これからする話は彼の青春の一部だ。そして、それは私の青春の一部でもある。願わくは彼に声援を。

彼は高校生になるまで、いたってごく普通の少年だった。中学生の三年間は柔道部に所属していた。実力としては、地区大会の準決勝止まりであった。しかし、二年生の夏に上級生が引退してからは彼の面倒見や気受けの良さから、まわりの部員や顧問の先生からは当然の如く主将に任命された。また、クラスでは誰とでも親しく、男子からの人望があるばかりか、その男らしい性格と精悍な顔つきで彼に好意を持つ女子も少なくはなかった。故に三年もの間に、数人の女子から告白をされたようであるが、彼は「部活や勉強で忙しいから」とそれらを断ってきたようだ。彼は硬派で奥手な性格であったようだが、私にとってはそのモテモテぶりはうらやましい限りである。ともあれ、彼はそのような中学校での生活を送り、高校はとある私立の進学校へ入学した。私とはそこで出会うことになったのだが、このときはまだ、彼にはパンツ総番長の「パ」の字もなかった。




●[考察]俗・森見ヒロイン的おっぱお懐疑/なっちゅ軍曹
前回の同人誌において、私は森見登美彦氏の魅力をおっぱい方面から検証した。それは厳しく、そして辛い作業であったと言わざるを得ない。考察は熾烈を極め、その内容は詭弁と妄言のみで彩られた。その結果「これだけ素晴らしいおっぱいを描く森見氏は、やはり素晴らしい作家である」という結論に行きついた私であったが、その考察は、文字数やページの関係上、たった三人のヒロインで終わってしまった。たった三人である。

確かに考察は成功したと言わざるを得ない、納得の出来栄えだった。〝いい仕事、したな〟という自負もあったし、完成した後に飲んだビールも、最高に美味かった。あの喉越しは、そうそう出るものでは無い。肴の冷奴も、私の脱稿を祝福してくれていた。しかし、果たして三人だけで結論付けてしまっていいのであろうか? というシコリが、私の胸中に残ったのは確かであった。シコリは時間が経つほどに、その大きさを増し、私の心を確実に蝕んでいった。心が蝕まれている状態で飲むビールも、また最高に美味いので思わず暴飲暴食を繰り返してしまった。このままでは、胸のシコリがおっぱいの様に膨らんでしまいそうであった。私は男なので、おっぱいなんぞいらないのである。

しかるに、そのシコリを取り払わんと、私は再び〝森見ヒロイン的おっぱい懐疑〟に挑む事にした。考察すべきヒロインを多く残している現状で、前作の結論は時期尚早であったと言わざるを得ない。私は森見登美彦氏と、その作品が大好きだ。大好きだからこそ、いま一度、慎重に、徹底的に、その魅力を追及していきたい。これはファンとしての責務であり、〝森見ヒロイン的おっぱい懐疑〟を提唱した私の義務でもある。故に私は今回、全てのヒロインを網羅し、この命題との決着をつける気概である。その道のりは、前作よりも険しく、さらに荒唐無稽であろう。その内容は、より阿呆らしく、詭弁と妄言でのみ彩られることだろう。しかし期待をしてはいけない。続編というのは往々にして派手なだけで、中身はより空っぽになるものである。前作であれだけ空っぽであったのに、更にその上を行くつもりである。それが続編というものである。ゆめゆめ忘れることなかれ。

森見ヒロイン的おっぱい懐疑、完結編。おっぱいと私の戦いが、今、幕を開ける。

コミックマーケット82にて四畳半CUBEを委託販売して頂く事になりました

ご無沙汰しております。編集長のなっちゅです。

森見登美彦非公式ファンブック『四畳半CUBE』をコミックマーケット82にて友人のブースで委託販売して頂ける事になりました。

以下詳細です。

日程:2日目(8月11日)
ブース:西地区 しー17a
サークル名:『からふる』

『からふる』は友人主催のサークルです。オリジナルボイスドラマを作成しているサークルみたいです。詳しい事は分かりませんが、当日は試聴機を置く模様です。是非試聴しながら立ち読みして頂けると嬉しいです。

また、9日の夜0時からPOPを作りました。作成時間30分のうえに、ほろ酔いクオリティです。お越しの際は自作POPも楽しみにしていてください。(本当は早く帰ってPOP作りをする予定だったけど、会社の飲み会に強制連行されたので………)

そんな訳で11日にコミケに行かれる人が居たら、是非立ち寄って頂きたいです。よろしくお願いします!

第14回文学フリマに参加します。

お久しぶりです。四畳半CUBE編集部、副編集長のニシデです。

さて、来たる2012年5月6日、ゴールデンウィークの最終日。第14回文学フリマ東京流通センターで行われます。

http://bunfree.net/

前回の文学フリマでは「四畳半CUBE」の記念すべき第一号100部が見事完売(!)となりました。あらためてお買い上げいただいた皆様に御礼申し上げます。感謝!

ではでは、今回の第14回文学フリマはどうするか? 編集長と話し合った結果、第一号の誤植修正など手直しをした第二刷を販売することになりました。残念ながら新刊はありません。

四畳半CUBE編集部は「オー49」の配置となりました。当日、皆様と会えるのを楽しみにしています!

『四畳半CUBE』各記事執筆者による解説

編集長のなっちゅです。
『四畳半CUBE』の執筆者達による、各記事の解説を書いて頂きましたので掲載します。
これを読めば、作品がより面白く感じられるはず!!!・・・・だといいな。



●[考察]森見ヒロイン的おっぱい懐疑 / なっちゅ軍曹

「森見さんの同人誌を作りましょう!」と言われて、さて何を書こうか? と一週間悩みに悩んだ末に最初に思いついたのが後述する『呪詛』だったのですが、その構想を考えた時点で「こりゃあ1万文字くらいしか書けないわ」と思い、だけど1万文字だけじゃあなぁ、もっと書きたいなぁ、と思った僕はもうヒトネタ欲しいなぁと考え、そうしてひねり出したのがこの『おっぱい懐疑』でした。その時点での構想はロクに考えておらず、冒頭の「森見さんと言えばおっぱいである」というキャッチーなフレーズだけを思い浮かべて書こうと決めたのでしたが、しかしいざ書いてみようとしたら案の定に筆は進まず、本来なら5人くらいのヒロインは網羅するつもりだったのですが、結果として3人しか書けませんでした。その3人も書きながらあれやこれやと論をでっち上げるしか無いものですから、当たり前のように破たんした文章となり、大変見苦しい内容となったのですが、でも『おっぱい懐疑』と題している時点で見苦しいのは分かり切った事であったし、きっと読者もそれを承知の上で読むはずであるという希望的観測の元で書き殴り、そうして完成した内容がそれです。これを笑って許してくれる人なら、きっとこの同人誌の、どの文章でも楽しめるだろう! という登竜門的位置づけで、この『おっぱい懐疑』が同人誌の冒頭に持って来たのです。もちろんそんなのは後付けの言い訳です。今思いつきました。でもそれくらいの事を思っておかないと自我を保てないのです。だって自身初に作成した同人誌の最初に書いた文章が『おっぱい懐疑』だからね。書いた3日後には黒歴史となっていました。たまに知り合いに「おっぱい面白かったよ」と言われる都度に嬉しいような、死にたいような気持になります。でも「面白かった」と言われると最高の気分になれます。好き勝手書いたので、きっと不愉快に感じた人もいると思いますが、それでも面白いと思ってくれた人が居るだけで、僕は本当に幸せです。黒歴史だけど、後悔は無いです。読んで頂き、ありがとうございました。



●[小説]鎌倉的四畳半神話大系  空転、恋の鎌倉 / いちひと

森見登美彦氏の著作は概して京都で物語の展開をみる。私は学生時代を神戸で過ごしたため、京都にもときおり足を運ぶ機会を持った。ゆえに作中の地名や通りの位置をおおよそぼんやりとながら頭に描きつつ読み進めることができた。

しかし京都の地理に明るくない向きは、例えば『有頂天家族』の矢三郎がどこをほっつき歩き、あるいは『太陽の塔』の“ええじゃないか騒動”がいずこで発生し拡大をみたのか、要を得ぬままに物語のオモチロサに引きこまれていたのではないか。

これは不公平である。地域格差である。今日、選挙の一票の価値の不均等なることを、最高裁違憲状態と判断を呈している。森見作品を読むにあたっても、日本中の万人がオモチロサを均一に、そして均等に分かち合えてこそしかるべきではないのか。

俄然、私は激怒した。森見読書機会均等法の可及的速やかな制定が求められる。法案の立法を見据え、国民の理解を事前に得るためにマニフェストを制作することとした。これこそが、『鎌倉的四畳半神話大系』である。

法案制定の足がかりとして私は、森見作品は日本国において普遍的価値を有することを示さねばならないと考えた。つまり人口に膾炙される必要がある。

私は手始めに坂東の住民への布教を目論んだ。京都は1200年になんなんとする古都である。これにはおよばないものの、箱根の関を越えた坂東にも鎌倉という武家の古都が威容を示している。その鎌倉の片隅に私は草庵をひっそりと結び、市内にひしめく神社仏閣の参拝を自らに課していた。

「森見作品の舞台を鎌倉に置き換えたらどうなるであろう」

はたと天啓に導かれた私は、猛然と執筆にあたることとなる。題材には『四畳半神話大系』を選んだ。江ノ島電鉄鶴岡八幡宮高徳院大仏、御霊神社の面掛け行列。自分好みの鎌倉をこれでもかこれでもかと押し込んだ。ところが書き上げてみて、坂東の住民に森見作品のオモチロサを、という当初の壮大な理念が二の次になっていた嫌いはなかったか。私もいささか反省せざるを得ない。法案もどうでもよくなった。後は野となれ山となれ。ええじゃないか。

もしも鎌倉に“私”や“小津”がうろついていたら。『鎌倉的四畳半神話大系』であるが、このような妄想を出発点としている。今回、私の日常的な非生産的思考を世にさらす機会にあずかった。『四畳半Cube』の言い出しっぺたるなっちゅ軍曹君には、お礼と「阿保ですね」の言葉を贈りたい。



●[小説]安栖小桃の見ている、世界 / 銀

実は、私の鉄子歴は短く、
一番最初に好きになった電車が中央線201系でした。

オレンジつるつるボディに真っ黒フェイスが、
魅力的な停車駅を通過してゆくのは、まさにファビュラスマックス!

引退してしまうと決まってからさらにその愛は深まり、
201系さよならツアーでは相模湖駅で涙をダアダア流しながらお別れしました。
そんな、201系への想いを込めた小説を書いてみたいなぁ、と、思っていたのですが、その夢をこの場で叶えてみちゃったZ!!

な、作品です。

まあしかし、一番苦労したのは、
やっぱり先輩と安栖小桃の気持ちの流や動きでした。

先輩が最後に「京都に行こう!」なんて、頑張って発言してますが、いかんせんこの先輩ったら、ちょー消極的。
そもそも、当初は安栖ちゃんのことを煩わしく感じていた先輩に、この台詞を言わせられたのは、安栖ちゃんの努力の賜物なんです。

どうしたら奇想天外にしか見えない安栖ちゃんのことを、
先輩が意識してくれるようになるのか。うむむ、と、考えました。
安栖ちゃんも中々、本音が見えない子なので、うむむむと、悩みました。

なので、二人を端から見て的確なアドバイスをしてくれる、栗本の存在には助けられました。栗本いい奴! お前、ほんと、いい奴! 

先輩と安栖ちゃんの友情が、愛情に変わるのは、もう少し先の話になるんだろうな、と、思いつつ。
この作品は、サンボマスターの「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」を聞きながら書きました。え、「電車男」を意識したつもりは、毛頭ないですよ。楽曲の青春★な、雰囲気がよかったので。



●[旅行記]ある阿呆の魂の咆哮と彷徨の記録 / 小林淳一

「小説を書きたい!しかし、ネタもアイデアもない!しかし、書きたい!」そんな想いが発露した紀行文になりました。ずっと一人称で行くのも良いのですが、他の紀行文を書く執筆者とは差別化を図りたい。それに、わざわざ七尾まで独りで来たのに、特にトラブルも無く旅行を終えたらつまらない。つまらないことを面白おかしく書くことも技量かと思いますが、それは自分のやりたいことではない。では、どうしたら飽きの来ないように読んでもらえるか?それで主人公であるKに第三者的に突っ込みを入れるという、今回の形を取ることにしました。ただ残念なことは私の筆力が無いために、Kの主観部分と第三者的部分の書き分けが出来ていないことです。どちらも同じような文体に成ってしまった……。この筆力の無さは永遠の課題です。
ここからは本文について触れていきます。まず、今回の重要な要素の一つであるウクレレ(笑)作中ではウクレレをKが邪魔者のように扱っていますが、実際はそんなことはないこともなかったです(笑)けれども、あのウクレレが一つのポイントとなり、話が膨らんだので良かったです。気前良くウクレレを貸してくれた染谷嬢には深く感謝をしております。
それと恋路海岸の幸せの鐘。作中ではバスを乗り換えていかなくてはらない、とありますが、バスを乗り換えなくてはならないことを知ったのは、旅行を終えて作品を描いているときです。今はネットでバスの時刻表、それも地方の路線バスの時刻表が見られるのですね。便利な世の中です。旅行中のKはバスの時刻表の見方を勘違いしていたようで、穴水駅からのバスにずっと乗車していれば良いと思っていたようです。前調べって重要ですね。
 それと最後の手紙については、実際に送ったものと全く同じ文面、ではありません。実物は送った相手の名前が記述されており、誰に送ったかが特定されてしまうので、修正を施しました。しかし、大筋は同じです。

 最後に。 これほどの長文を書いたのは人生で初だったので、至らない点は多々あったかと思いますが、自分では全力を出したつもりです。そして、この紀行文を読んで七尾へ行きたくなったり、『恋文の技術』をもう一度手に取ってもらえたのなら、これほど自分にとって嬉しいことはありません。
 我々「四畳半CUBE」は来年の秋にも「四畳半Cube」を出版し、私も執筆するつもりですので、そこでまたお目にかかれたら幸甚です。



●[漫画]青山くんの森見作品研究ノート / ほかほか女将

Coming Soon



●[小説]拝啓如意ヶ嶽薬師坊さま / ちよ

私(わたくし)でございます。筆者は酷い人間です。
私を淡海に飛び込む、すんでのところでまで追いやるなんて横暴です、鬼です。
それならば、私にも言いたい事はお山ほどございます。

 まず、世界がなっておりません。筆者は江戸時代の前半を参考にしたと言っておりますが、何をおっしゃっているのですか。長屋に関しても京の長屋を調べきれず、道や井戸の位置関係がわからぬからといって、田舎侍のはびこる江戸の長屋を参考にするなぞおかしな話でございます。確かに商家と長屋は違うものでございますが、他にいくらでも調べようがあったのではないのですか。また、夜というものが、まるで分かっておりません。この時代の暗闇で薬師坊様が私の化粧など確かめられたというのでしょうか。あの頃は私も胸が張り裂けんばかりの気持ちで騙されてしまいましたが、今思えばおかしな事でございます。
 私の語り口調にしても、文末が「です」「ございます」「でした」ばかりではありませぬか。くどくどと、これでは見るに耐えませぬ。もっと、さらりと美しく書いて頂きたいものです。最終入稿とやらの直前まで、見苦しく直し続けて、今だに直したいのでございますか。もっと手際よく出来ぬものでしょうか。敬語にしても、薬師坊様に対するだけでよいものを、途中まで他の方々に対しても用いるとは、世の中に媚びている貴方の性格の表れのようなものです。全く、懸命にやったからと言って、下手な人間には下手な文章しか書けぬものなのです。貴方が貴方である事に何か不満があるのですか。それに、私は普段こんな言葉は使いませぬ。もっといけないのは、あの杉は架空のものだったという事でございます。筆者は自分のせいではないなどと言っておりますが、三又にして何を企んでいた事やら。
 しかし、本当に洛中は艶やかで華やかでございました。扇屋に舞う色とりどりの扇子、勧進僧達の墨染めの衣、辻の物売りの声、前をゆく女人の小袖には雪持笹がひらひらと揺れます…あぁ、もう一度参りたいものです。人から聞いた話では、白粉屋さんは、今も大変繁盛しているようでございます。都もあの頃とは変わったのかもしれませぬが、今の私にはよく分かりませぬ。
本当に世の中には、私には分かりかねる事ばかりでございます。

でも、まぁ…生きていればまた面白い事もありましょう。



●[旅行記]京都 乙女旅のススメ / りんご ・ 京都ぐるぐる一人旅 / 秋水

Coming Soon



●[小説]ナカメ合戦 / ユメ見ズ

最近、ロマンチックっていいなあ、と思う。
そんなことをいうと「なんですか、いまさら中2病ですか」と
いわれそうだけど。

ロマンチックって大概が恥ずかしいことじゃないですか。
でも、その恥ずかしいことよりも、その前提にある気持ちに
目を向けられるようになったのは、たぶん僕が大人に
なったからなんじゃないかと思います。

僕が書いた物語はラブストーリーですが
恋愛って日常で一番ありえるロマンチックなんだと思います。

運命という言葉があるけれど、僕はどちらかというと運命を
信じてません。信じていないというとなんだか大げさ
ですが、まあ、どうでもいいです。運命って結果論であって
最終的におさまる場所におさまらなければ
それって運命っていえないと思うんですよね。

運命の恋なんて、書くはずじゃなかった。

けどこれはもう書けてしまったとしか言い様がありません。
書いている自分も、物語も、時間と共に呼びこんだものが
結果として運命を思わせる物語になってしまった、それだけのお話。

そして「変化」です。
一歩踏み出すことで生まれる変化、続けていくことで気付く変化、
しかしその変化も繰り返しているだけでは変わらないものへと変化してしまう、
そしてさらなる変化が必要となる。続けていくことで呼び寄せてしまう
状況もまた変化のひとつだと思います。変化は連鎖となってまた変化していく。
自分の「変化」は相手の「変化」を導くものでありたいという僕の思いも含めて。
                             
なんでこの物語が書けてしまったのかを考えてみると、
たぶんそういうことをずっと思っていたんだと思います。
ロマンチックにしても、運命にしても、変化にしても。

僕はこの物語が書けてよかったと思っています。



●[コラム]一西洋人から見た森見ワールドの魅力 / ジョン・GB・タウンゼント

読者諸賢、四畳半CUBEをお楽しみいただけましたでしょうか?

我らの偉大なる編集長・なっちゅ氏から
この企画への誘いが来た時、筆者には一瞬の迷いもなかった。

だって、大好きな森見氏のオマージュ同人誌を
愛すべき阿呆ども(もちろん自分含む)と共に
作り上げるという、人生に一度あるかないかの貴重な機会である。

「参加したいのだ!参加させてくれぇ〜!」
…筆者はさほど深く考えずに名乗り出たのである。

しかし待てよ。

日本語を母語としないこのわたくしには、
一体どんな記事が書けるというのだ?
仲間たちが書いているような小説や評論を書こうとしたところで、
甚だ乏しい自分の表現力と語彙力を考えると、
この冊子に相応しい文章が書ける自信はまるで皆無である。

それだったら、答えは一つ。
上手下手は別として、
自分にしか書けないものを書くしかない。
そんなこんなで、「外国人からみた森見作品の魅力」
…というテーマが生まれたわけである。

テーマが決まったのはいいものの、
いかにして書けばよいのか?
大まかな目標が三つほどありました。

(一)森見ファンが喜ぶような、オモチロクおかしいものを書く
(二)それでいてちょっとだけまじめに書く
(三)自身のお恥ずかしい人生経験をさらすことで、過去に区切りをつけるとともに、日本人読者の皆様に、筆者のような外国人のことをちょっとだけ見直してもらう

そんなところから書き始め、
試行錯誤と四苦八苦を繰り返した挙句、
ご覧のような、なんだかようわからんエッセイ(?)が仕上がりました。
しかも最終〆切りのわずか1分前に、である。
(なっちゅ編集長、編集部の皆様、本当にご迷惑をお掛けしました!)

言うまでもなく、反省点は山ほどございます。
森見作品を西洋の国に置き換えたら?の例えも
自分自身の過去の話しも
もうちょっと深く掘り下げたかったのですが、
それは次回(?)の課題としてとっておくとしよう。

ちなみに読者数名に聞かれた質問だが、
あの回想エピソードの出来事は約7割ほど実話である。
どこまでが実話で、どこからがネタかに関しては
皆様のご想像にお任せしたいのですが、
この解説を最後までお読みくださったyouに、
一つだけ、特別にお教えしましょう。

筆者が実りのないナカメ作戦を繰り広げた
演劇部の乙女についてですが、彼女の髪色は実は
…限りなく黒髪に近い茶色だったのです。

すみません。
筆者はやはり生まれながらにして
極めて森見の主人公的な男である。



●[小説]ペンギン・サバービア / ニシデ

森見登美彦という作家は、マジックリアリズムの旗手などと紹介されることも多い。「京都」という特殊な土地を媒介に摩訶不思議な世界を構築する。その幻想的な世界に魅せられる者は多い。
だが「ペンギン・ハイウェイ」だけは、ちょっと毛並みの違った作品である。舞台は京都ではなく、郊外。森見氏としては実験的な小説だったのだと思うのだが、私はこれがけっこう好きで、森見作品の中では「夜は短し歩けよ乙女」と並ぶ。今回同人誌に寄稿するにあたり、紆余曲折、挫折と迷い、まあなんか色々あったのだけれど、結局私が書いたのはSFだった。それもペンギン・ハイウェイのオマージュ、である。タイトルもわかりやすく「ペンギン・サバービア」とした。

「えっ、森見ファンブックでSF!?」みたいな意図的な「ズラし」を狙ったのも少しはあるが、ちょうどそのとき私が円城塔伊藤計劃にハマっていたから、という単純な理由でもある。
ペンギン・ハイウェイにおける、少年とその親友、そして少女の三人組が、郊外で不思議な冒険をする、という構図はそのまま、ただし舞台はずっと未来。ARとかそういう単語を知っている、少しSF慣れしてる人でないと読みにくい部分も多かったと思うのだが、そうしたコンテクストを有している人にならば、ちゃんと面白く読んでもらえるのではないだろうか。

一応、中身について解説すると、「これからの情報社会に、幻想は生き残れるのか?」「人工的な土地である郊外に、はたして幻想はあるのか?」という問題について書いてみたかった。そして私の用意した答えは「テクノロジーがそれを可能にする。テクノロジーの発展は、世界の複雑性の縮減どころか、ますます『複雑さ』を増す方向に、これからは動いていくだろう。そしてそれはまず郊外でこそ発現するはず」というものだった。 「日々更新される『日常』によって、もう現実に飽きることはない」という一文がその予兆として用意してある。
……しかしそれはまあ、おまけみたいなもので、私が書きたかったのは「アオヤマ少年が三十年後にどうなっているか」であり、「ペンギン・ハイウェイで語られた『世界の果て』とは、いったいなんの比喩だったのだろう」ということに私なりの仮説を提示することであった。
未熟ゆえ書き尽くせぬ部分も多かったが、それなりに手応えはあった。満足している。

ちなみに、「モエレ沼公園」がどんなところか気になった人は、google mapで調べてみるといい。園内を擬似散策できる。



●[?]呪詛〜森見登美彦をとりもどせ〜 / なっちゅ軍曹
「森見さんの同人誌を作りましょう!」と言われて、さて何を書こうか? と一週間悩みに悩んだ末に最初に思いついたのがこれでした。最初に思いついたタイトルは「森見登美彦への公開詰問状」だったのですが、別に詰問じゃないしなぁ、どっちかって言うと嫉妬の念が強いなぁと考えた結果、じゃあ呪詛でいいや! と思い、このタイトルになりました。冒頭の『おっぱい懐疑』と同じ様に、これも「結婚して幸せそうな森見さんへの妬み」というスタンスの思いつきだけで執筆を決めたもので、『太陽の塔』で飾磨氏が主人公へ送った「許さん。許さんぞう・・・」というメールのノリを模倣したような内容にするつもりだったのですが、どのようにして論を転がしていき、どのような結果を導き出そうかと考えた末、森見氏の再生論みたいな内容になってしまいました。当初はあんな結末にするつもりは無かったのです。ですが文章を書いているうちに興が乗ってしまいました。結果として、あの様な文章が出来上がり、本当に好き勝手やってしまったので、不快に思った人も多くいると思います。「同人誌なんだから、好き勝手に自分の意見を書くのは自由だ!」と思うところもありましたし、しかし「同人誌と言え、人を不快に思わせていいはずが無い」と思うところもあり、そのバランスをとるのがとても難しかったです。なるべく人が不快に思わない内容にして、だけども面白いと思ってもらえるような文章にして、そして自分が言いたい事も包含する。自分の稚拙な文章でどこまでそれが実現出来たのか、それは読み手の皆さんで無いと分からないところなのですが、僕は今出せる全ての力でもって書きました。なので納得もしているし、とても満足しています。あくまでもギャグコラムとして読んで頂き、広い心でもって楽しんで頂ければ嬉しいです。

皆様のご感想を随時募集しております

編集長のなっちゅです。
11月3日に開催された文学フリマにて、おかげさまで作成した同人誌「四畳半CUBE」が完売致しました。お買い上げ頂きました皆様、本当にありがとうございました。とても楽しい1日でした。価値観が変わる程の衝撃と感動の連続であり、私はこの1日を一生忘れる事が無いと思います。本当でしたら、お買い上げ頂きました皆様一人一人に手紙を送りつけたいほどに感謝と感激をしています。手紙が叶わぬなら、せめてハグでも。いや、靴を舐めるくらいなら喜んで!と、軽く錯乱するくらいに、素晴らしい文学フリマでした。

しかし、なにぶん全てが初めて尽くしであり、不慣れな中での作成である為に至らない部分も多々あった事と思います。皆様は今回の同人誌、楽しんで頂けているでしょうか?

実は現在、第2段作成の話も出ております。

より面白い同人誌を作る為に、皆様の感想を教えて頂きたいです。

ご意見・ご要望・ご指摘・批評・批判・不平不満・叱咤激励、なんでも結構です。
もちろん「この記事が面白かった!」「この人の記事をもっと読みたい」といった内容も大歓迎です。
ポジティブな感想は励みに、ネガティブな感想は刺激にして、精進したいと思っております。

是非ともコメント欄にご入力をお願い致します。

第13回文学フリマを終えて

西出です。

11/3に開かれた第13回文学フリマへの出店結果は、100部持ち込みで見事完売という形になりました。買っていただいた方々、有難うございました!

実は私、前日に派手にすっ転んだおかげで右手を負傷、ふたつも絆創膏貼っているという感じでした。できれば綺麗な手でお釣り渡したかったのですが。なんで私は前日に転んでしまうのか、それが非常に悔やまれます。



11月3日。朝九時半。モノレールに乗って、文学フリマ会場である東京流通センターへ。
しばらくして編集長も到着。そしてもう一人合流予定の、表紙デザインを手掛けてくださった、なの氏。彼女からも連絡が入ります。
空港快速乗っちゃった」
そうかー。まあしょうがないよね。あるある。

そういうわけで華麗な羽田ターンを決めてくれたなの氏とも無事(?)合流。会場へ向かいます。

10時、会場に入って、自分たちのブースへ向かうと、そこには印刷所から搬入されていた段ボールが四箱。微妙に緊張しながら開封すると、完成された「四畳半Cube」とご対面。作っているものが形になったことの感動。編集長も感動のあまり「やばい吐きそう」などと言っておりました。私もちょっと吐きそうでした。

吐きそうな男二人をよそに、なの氏はせっせとPOP貼りなどブースの飾り付けを手際よく済ませ、さて11時。一般入場開始です。

開場後、10分くらいでしょうか? 最初の一冊が売れました。ちょっとわたわたしながらお金を受け取って、おまけの栞を選んでもらい、四畳半Cubeを渡す。
これです。これですよ。
これが、すごく嬉しいんですよ。楽しいんですよ。

その後も順調に売れて行きます。段ボールが一箱空き、二箱空き、予想を上回る販売ペースに「やばいこれ、完売しちゃうかも」と思い始めたのが12時半過ぎ。
2時頃、残り部数も少なくなるにつれて、だんだんと「完売じゃん!」という高揚と、そして妙な「ああ、完売してしまうな」という寂しさが、両方生まれ、私の心を占めていきます。
最後の一冊が売れ、完売の瞬間は、とても嬉しかった。そしてちょっとだけ、寂しかった。

その後、ブースの前で足を止め「もう完売しちゃったんですか?」と聞いてくれた方もいました。申し訳ありませんでした。もしかしたら第二刷、あるかもです。


そういう感じで、とても素敵な一日でした。とても素敵な経験でした。協力者の方々、買っていただいた方々、本当に有難うございました。